1858年:毛髪中のヒ素を分析したことからはじまる
毛髪ミネラル検査の歴史は古く、1858年Hoppe(エルンスト・フェリクス・イマニュエル・ホッペ)により行われた、遺体に含まれる毛髪中のヒ素を分析したのが最初とされ、書籍「Handbuch der physiologisch und pathologisch-chemischen Analyse(1924年)」の中で記している。
近代生化学、応用化学、分子生物学における草分けの一人であり、その研究は教え子であるノーベル生理学・医学賞受賞者のパウル・エールリヒに影響を与えた。
その他の教え子にもフリードリッヒ・ミーシェルやノーベル生理学・医学賞受賞者のアルブレヒト・コッセルがいる。

1945年:毛髪が排泄器官であることが提唱される
1945年にP.Fleschが毛髪は排泄器官であることをみいだし、体内の元素組成を反映すると提唱するまでHoppeの研究は約100年間忘れられていた。

1950年:環境汚染の食物連鎖で起きた人類史上最初の病気
国内では1950年代に熊本県水俣市にあるチッソ水俣工場は、工業排水を水俣湾に排出していたが、これに含まれていたメチル水銀が魚介類の食物連鎖によって生物濃縮し、これらの魚介類が汚染されていると知らずに摂取した不知火海沿岸の熊本県および鹿児島県の住民の一部に見られた中毒症状が「メチル水銀中毒症」である。 この中毒症を調査するために毛髪が使われたことで広く知られることになった。
1906年に水俣に工場ができた時は、アセチレンの製造、1914年から硫酸アンモニウム(硫安)、1932年にアセチレンと水銀を用いてアセトアルデヒドの合成を始めたが、この時から有機水銀(メチル水銀)を排出した。1932年から1968年まで、百間水路にメチル水銀を含む工場廃液を流した。最終的には水俣湾に100トンのメチル水銀が堆積した。 1968年、チッソはメチル水銀を使うのをやめた。同時に、工場廃液を百間水路ではなく、八幡プールへ流し、汚水処理のあと、水俣川(不知火海)へ放水した。
水俣病は人が発症する前に、自然界の異変が始まりであった。その中でもネコがてんかん様の症状を呈して狂死するというネコ水俣病が多数発症した。この自然発症したネコを解剖したところ、大脳や小脳の中枢部に特徴的な病変が認められたことで、人の水俣病の原因が何であるかを探求するため、ネコを使った実験が行われるようになった。

1955年:原子吸光分析法が確立される
1955年A.Walshが原子吸光の可能性をみいだし、原子吸光分析法が確立されたことが契機となり、毛髪を用いて水銀、カドミウム、鉛など重金属のスクリーニング検査、ミネラル濃度と疾病の関係、薬物検出、栄養摂取状況の把握など多岐に渡る研究がおこなわれている。
特に、鉛中毒が死因とされているベートーベンやヒ素中毒が死因とされているナポレオンの遺髪の分析に毛髪ミネラル検査が使用されたのは有名な話である。
英国/オーストラリアの物理学者、創始者、原子吸光分光法と呼ばれる化学分析方法の開発者。
オーストラリアの工業物理学者による物理学の著しい貢献に授与されたオーストラリア物理学研究所(AIP)のアラン・ウォルシュ賞は、彼の名誉を称えます。

1956年〜57年頃:各地で発生する公害病
岐阜県の三井金属鉱業神岡事業所(神岡鉱山)による鉱山の製錬に伴う未処理廃水により、神通川下流域の富山県で発生した公害で、カドミウムによる多発性近位尿細管機能異常症と骨軟化症が主な症状(イタイタイ病)である。カドミウム汚染地域に長年住んでいて、この地域で生産された米や野菜を摂取したり、カドミウムに汚染された水を飲用するなどが原因である。このカドミウムの慢性中毒症状を調査するために毛髪が使用された。

1994年:国際原子力機関が正式に認める
1994年、国際原子力機関(IAEA)はヒ素、カドミウム、水銀、鉛、セレン、クロム、ニッケルを有害金属として取り上げ、毛髪中のこれら金属は曝露指標となると発表した。また必須ミネラルの亜鉛、銅、セレンについてもその有用性を認めている。
この報告以降、前記以外のカルシウム、ナトリウム、鉄などの元素について、その有用性を認めている論文が多数発表されていることから、ミネラル検査の役割は大きいと考えられる。
国際原子力機関(IAEA)
原子力の平和利用の促進、軍事的利用への転用防止を目的とする国際機構。本部はオーストリアのウィーン。国際連合の専門機関ではないが、国連と密接な連携関係をもつ関連機関。

2000年:日本での毛髪ミネラル検査開始
ら・べるびぃ予防医学研究所では毛髪中のミネラルが体内の慢性的な過不足の傾向を反映することに注目し、毛髪ミネラル検査を2000年に開始しました。毛髪ミネラル検査の普及と検査結果に基づく栄養アドバイスの提供を通じて、皆様の健康生活に役立ちたいと願っています。
使用している誘導結合プラズマ質量分析装置[ICP-MS]とは液体試料を霧状にしてアルゴンプラズマ(温度は6,000〜10,000K)でイオン化した原子を質量分析計に導入し、元素の定性や定量を行う装置で、多くの微量元素について極めて低い検出下限の分析を比較的短時間に行うことが可能です。

2003年:神栖市の有機ヒ素事件
茨城県神栖市木崎地区の住民に手足の震えなどの症状がでたことから飲用していた地下水を調べたところ、環境基準(1リットルあたり0.01ミリグラム)の450倍のヒ素が検出されました。その後の検査でこのヒ素は有機ヒ素のジフェニルアルシン酸であることがわかりました。
この有機ヒ素の暴露量を特定するために毛髪と爪の検査が使用された。

環境基準の8倍のヒ素が検出された大野原小学校のプール



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